ホーチミンから600kmほど離れたダナンまでの移動。短時間で楽に移動したい人は飛行機一択。でも、ベトナムなローカル体験に挑戦したい人には、夜行バスがおすすめです。2024年2月の経験を元に、快適な夜行バスの乗車レポートやチケットの取り方を解説します。
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ホーチミンからダナンまでの移動手段3つ
南北に細長い国であるベトナム内の移動は意外と時間がかかります。ホーチミンから600kmほど離れているダナンまでの移動手段は、飛行機、バス、列車の3つ。
私がチケットを入手したのは、人々が大移動する春節の直前で、列車と飛行機の選択肢がなく「バス」となりました
- 所要時間
・飛行機:1時間30分ほど
・列車:17時間~20時間ほど
・バス:1日ほど - 料金
・飛行機:約1万円から
・列車:約4,000円から
・バス:直行は約3,000円から
短い移動時間で楽に移動したい人は飛行機が良いです。ただ、この記事で紹介する夜行バスはとてもユニークなので、時間に余裕があって、ローカルな面白い体験したい人にはおすすめです!
私が辿ったバスルート
私は、長時間バスで過ごすのを避けるため、ホーチミンからダナンのほぼ中間地点の「ニャチャン」で乗り換えました。ニャチャンは、ベトナム南部のビーチリゾートです。
寝るには十分な設備の夜行バスだったので寝ることができ、起きれば目的地に着いていたので楽でした。
- ホーチミンから、ニャチャンまで夜行バス(8時間)
- ニャチャンから、ダナンまで夜行バス(10時間)
春節直前というハイシーズンであったこと、また、後述しますが、発車ギリギリでチケットを購入したので、夜行バス2本で計7,000円ほどかかりました。でも、ベトナムならではのユニークな体験ができ、この時期の寝台列車が1.5万円だったことを考えると、大満足の夜行バス旅となりました。
(1)ホーチミン発~ニャチャン着の夜行バス
ホーチミンからニャチャンまで夜行バスで8時間ほど。口コミが良く、車内の写真が良い感じだったBinh Minh Tal Limousin社のバスを予約しました。
当日、バス会社からWhatsAppにメッセージが来たから、事前にダウンロードして設定しておいた方がいいかも!
当日は、ホーチミン1区にあるバス会社のオフィスに30分前に集合です。到着すると、オフィス内のカウンターで名前を伝えチケットをもらいます。バスの到着予定時間を教えてくれるので、それまでは自由時間です。
オフィスにはトイレやウォーターサーバーがあります。また、ドリンクや軽食も用意されていました。ただ、椅子が少ないので、ほとんどの人はオフィス外の歩道に椅子を並べて座っていました。なんともベトナムらしい光景です。
宇宙船を感じさせる、クールな車内
大きな荷物を預け、靴を脱いで車内に入ると驚きの空間が。
宇宙船を彷彿とさせる、近未来的なデザインにびっくり!
フルフラットで横になって寝ることができる部屋(ベッド)上下2段が2列並び、計20部屋ほどあります。
各部屋には、枕、ブランケット、なんと抱き枕まで備えられています。寝るだけのスペースで、車内で不要な荷物は預けた方がいいです。
携帯電話の充電はもちろん、通常バスのように天井にあるダクトから冷気が出て空調を調整できます。テレビモニターがありましたが、点け方は分かりませんでした。
幾つかライトが付いており、すべて点けると、宇宙船の乗組員の気分に!
フルフラットのベッドは、身長180cmほどの人だと狭く感じるかもしれません。天井は決して高くなく、背の高い人だと頭をぶつけてしまうと思います。
ご丁寧に、水とウェットティッシュ、そして、朝食に牛乳とワッフルを配ってくれました。
出発から4時間ほどしてトイレ休憩がありました。トイレットペーパーがない和式で、あまりきれいなトイレではありません。なお、走行中でも、ドライバーに頼めば道端に止めてくれるそうです。
乗ったことのない近未来的なデザインのバスにテンションが上がり、発車してしばらくは車窓からの眺めを楽しみました。部屋はカプセルホテルのように区切られていて、通路に面したカーテンを閉めればプライベート空間になり、暗くすることができます。
翌朝、ニャチャンに到着
ホーチミンから8時間ほどでニャチャンに到着。上の地図の場所で降ろされます。街の中心部から少し離れた場所で、タクシーは数台いましたが、配車アプリ「Grab」を利用した方が良いと思います。
(2)ニャチャン発~ダナン着の夜行バス
ニャチャンからダナンまで、夜行バスで10時間ほど。他に選択肢がなく、FUTA社が運営するPhuong Trang(フンチャン)バスを利用しました。事前に口コミなど調べませんでしたが、最低限の設備はあり快適なバス旅でした。
後から調べてみると、Phuong Trangバスは、有名な観光地をほぼ網羅するとのこと。ローカル価格で旅行者も使いやすいと評判だそうです。
実は、乗車1週間以上前に「12GO」という、ある旅行代理店が運営するサイトから、別のバス会社の夜行バスチケットを購入しました。購入時、クレジットカード決済され、代理店が手配するのに時間がかかるとのメッセージは確認しました。
その後、発車48時間前になってもチケットが送られてこなかったため問い合わせると、その数時間後に「チケットが確保できず、自動キャンセルした」と一方的なメールが来たのです!
「12GO」のお粗末なサービスのために、発車48時間を切った直前にチケットを手配する羽目になってしまいました。必死になって探し、同じ宿に泊まっていたベトナム人が助けてくれたお陰で、何とかFUTA社のバスチケットを購入することができました。
春節直前というハイシーズンで、10社ほどバス会社に問い合わせてもチケットは見つからず散々な目に。。もう「12GO」は使いたくありません!
街の中心部から、Grabで幹線道路沿いのオフィスへ
購入したPhuong Trangバスは、ニャチャンから3時間ほど離れたベトナム南部の街「ダラット( Da Lat )」発のバスでした。チケット購入後の確認メールに記載されていた住所のFUTA社のオフィスに行くと、ダラット発のバスはニャチャンの街中に来ず、乗車場所は別とのこと。
記載されていた住所から20分ほど車で離れた、幹線道路沿いのオフィスへ配車アプリ「Grab」を使い向かいました。春節直前というハイシーズンにも関わらずチケットが購入できたのはラッキーでしたが、もう踏んだり蹴ったりです(泣)
このようなケースに直面する人はほぼ居ないと思いますが、私がバス乗車した幹線道路沿いのFUTA社オフィスは、上の地図の場所にあります。
効率よく作られた、寝る専用バス
ホーチミン発の近未来的でクールなデザインの夜行バスと比べると、こちらは効率よく作られた、寝る専用バスという印象です。こちらも靴を脱いで乗車します。
寝返りが打てないほどスリムな寝台が上下2段、3列並んでいます。そのため、体を斜めにしないと通路も歩けません。
バスの中に清潔な寝台が沢山並べられており、窓際の席ではなく真ん中の寝台だとシートベルトをしないと上から振り落とされないか心配なくらいです。荷物を置くスペースは全くないので、小さな荷物も預けた方が良いほどです、
狭いスペースでも最低限の機能はあり、携帯電話の充電はできます。また、冷気が出る専用ダクトがついており空調管理も可能です。
モニターの足元に足を入れて寝るような設計です。寝台はコンパクトなつくりで、身長は180cmもあるとかなり辛いように思いました。
カーテンはありませんが、外からの視線が気にならない、直射日光が入ってこないような配慮が窓にされています。
この夜行バスはフルフラットではなく、少し昔の飛行機ビジネスクラス程度に倒れるリクライニングシートです。疲れていた私にとって、寝るには十分でした。
トイレ休憩は3~4時間毎、配布されたのは水とブランケット。最低限のサービスでしたが、寝ながら移動できるバスとしてはコスパが良かったです。
翌朝、ダナンに到着
10時間ほど走って着いたのは、ダナンのバスターミナル内にある、Phuong Trangバス専用のターミナル。売店やトイレ(トイレットペーパーなし、あまりきれいではない)など最低限のものはあります。
夜行バスの予約方法
ホーチミンからニャチャンまで夜行バスは、「Vexere」というサイトで予約しました。このサイトに出発地・目的地や日程などを検索すると、乗車可能なバスがでてきます。
予約時に座席を決めることができ、決算後すぐに発券されるので安心です。もちろん英語で予約できます。
ニャチャンからダナンまで夜行バスは、FUTA社の公式サイトから予約しました。FUTA社のPhuong Trangバスは、上の「Vexere」の検索結果になかったので、乗りたいバスが見つからない際は、このサイトから検索してみるのもありだと思います。
「12GO」サイトでの購入だけはお勧めしません
夜行バス2本に乗車して
2日かけてホーチミンからダナンまで、2本の夜行バスを乗り継いで移動しました。ダナンのバスターミナル外にあるローカルコーヒー店で、ベトナムコーヒーを飲み、一息ついて思ったこと。
12GOの直前キャンセルがなければ、予定通りもっと楽に移動できたかもしれないけど、色んな意味でベトナム的な体験ができて面白かった!
ベトナムの夜行バスのメリット&デメリット
以下のメリットを感じられる人に、ベトナムの夜行バスはおすすめです。
- 夜行バスなので、宿泊費を節約できます。
- 日本の夜行バスと異なる、ユニークな体験ができます。
- 時期によっては、飛行機や列車より安く移動することができます。
- 居眠り運転の心配なく寝ることができます(運転手は2人居て、交代で運転)。
- フルフラット、もしくは就寝できる程度のリクライニングシートなので、しっかり寝ることができます。
ベトナムの夜行バスに乗車して気づいたマイナス点は以下の通り。これらが気になる人は避けた方がいいです。また、乗車の際はこちらを踏まえて準備してください。
- 飛行機よりも移動時間がかかります。
- バスに、トイレはついていません(トイレ休憩はあり)。
- トイレにはトイレットペーパーがないので、持参する必要があります。
- ドライバーが頻繁にクラクションを鳴らすので耳栓があった方が良いです。
- バスは揺れます。下段はバスの振動が体に伝わり、何度か目を覚ましました。酔いやすい人は酔い止めを使い、ベッドの位置は上段の方がいいかもしれません。
まとめ:ベトナムでユニーク体験をしたいなら、夜行バスに乗るべし
ベトナムの夜行バスに興味津々ですか?
今回の記事で紹介したこと
ホーチミンからダナンまでの移動手段は、飛行機・列車・バスの3つでした。
- 所要時間
・飛行機:1時間30分ほど
・列車:17時間~20時間ほど
・バス:1日ほど - 料金
・飛行機:約1万円から
・列車:約4,000円から
・バス:直行は約3,000円から
記事では、ホーチミンからダナンまで、2本の夜行バスを乗り繋いで移動した体験談をレポートしました。
ベトナムの夜行バスはメリットとデメリットがあるので、自分の好みに合わせて挑戦してみてください。私にとって良い意味でも悪い意味でも、夜行バスは想定していなかった体験となりました。この記事を参考に、納得のいく移動手段が選べますように。
みなさん、良い旅を!
最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございます
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