ヨーロッパからの移民が多く、南米でありながらヨーロッパの雰囲気を強く感じるブエノスアイレス。2023年に2週間滞在した経験から、是非とも訪れたい4エリアの魅力を写真たっぷりで紹介。
ブエノスアイレスとは
ブエノスアイレスは、『南米のパリ』と称されるアルゼンチンの首都で、歴史的・文化的名所が豊富な、世界無形文化遺産のタンゴ発症地でもあり美食の街。アルゼンチンは、イタリアやドイツなどヨーロッパ系移民を多く受け入れてきた歴史もあり、特にブエノスアイレスは南米の他の国とは異なる雰囲気です。
おすすめの滞在日数
主要観光スポットを巡るには最低3日の滞在がおすすめ。街歩きが楽しいこの街は、1週間以上の長期滞在をして住むような旅スタイルも魅力的です。できれば日曜日に滞在し、市内の様々な場所で行われるフェリアに参加できるといいと思います。
ベストシーズン
ブエノスアイレスは南半球に位置し、日本とは季節が逆転しています。一般的には春(9月〜11月)と秋(3月〜5月)がベストシーズンとされています。ただし、昼と夜の温度差が激しいため、訪問直前に気予報をチェックし、適切な服装を準備することをおすすめします。
私は、3月前半(現地の夏)と5月前半(現地の秋)に訪れました。
3月前半は大変蒸し暑く、エアコンがないと寝られないほどでしたが、中旬を過ぎると一気に気温が下がりました。5月前半の訪問時は、昼は薄手の長袖で過ごせましたが、夜はコートが必要なほど寒かったです。現地の方によると、冬は非常に寒いとのことです。
【重要】ブエノスアイレスの治安
ブエノスアイレスの治安は一部地域を除いて比較的安定していますが、注意が必要です。
観光地や人気エリアでは比較的警察が多く見回っていますが、人通り多い観光地、駅・空港・バスターミナルや、公共交通機関(地下鉄やバス)の中では、盗難やスリ、ひったくり、置き引きなどの犯罪が多発しています。比較的安全なエリアでも一本道が異なると、路上生活者が居たり、ごみを漁っている人が居たりします。
街歩きの注意点
治安の良い国に住み慣れている日本人は警戒心が薄くなりがちで犯罪に巻き込まれやすいため、十分に注意してください。不必要にラテンアメリカの治安の悪さを怖がるのではなく、現地の最新情報にアクセスし、適切な対策を取ることが大切です。
- 人目が少ない場所・暗い場所や治安の悪い地域では安易に歩かないでください。
- 特に日暮れ後は、公共交通機関の利用は避け、タクシーやUberを利用してください。流しのタクシーはなるべく使わず、ホテルやレストランに手配してもらってください。
- 両替は日中に行うようにし、行き帰りは後をつけられていないか注意してください。
- ポケットに携帯や財布を入れない、歩きスマホをしない、公共交通機関で寝ないでください。
- バイクや自転車に乗った犯人による強盗・ひったくりが多いため、なるべく道から離れて歩いてください。
- 犯人が盗難、スリ、置き引きやひったくりをしたくなるようなスマホ、財布やアクセサリーなど貴重品は目立たないようにし、荷物から目を離さない・手を離さないでください。
- 万が一、所持品が盗まれた際は、犯人を追わないでください。命が奪われなかったことだけラッキーです。
- ブエノスアイレスに限らず、ラテンアメリカの治安情勢は変化しやすいです。危険なエリアや犯罪の傾向、気を付けるべき点を滞在先のスタッフに聞き、現地情報にアクセスしてください。
実経験を踏まえ、海外旅行における防犯の心構え、役立つ防犯グッズなどを別記事で紹介しています。こちらも参考にしてください。
おすすめの滞在エリア
ブエノスアイレスの宿泊先は、以下の地区で探すことをおすすめします。これらは観光スポットが多く、交通の便が良く、レストランやバーが沢山あるため夜も人通りが多いです。ただし一本道を外れると、人気が無いエリアになることもあります。滞在先候補の宿泊経験者の口コミをしっかり読んでから安全な立地か見極めてください。
滞在中に訪れたい厳選スポット
48の行政地区あるブエノスアイレスのうち、観光で訪れたい主要な地区は8つ。
2週間街を歩いた私が特におすすめするスポットは、黒星(★)2~3つの地区です。定番の観光スポットをおさえつつ、ブエノスアイレスらしいヨーロピアンな街並みの中、美味しいレストランで食事したりショッピングなども楽しめます。
それぞれの地区は、移動時間も考え少なくとも半日は予定した方がいいです。おすすめスポットを優先し、時間がある際、その他の地区を訪問するのが良いと思います。
市内の北・中央に位置する ❶レティーロ地区、❷サン・ニコラス地区、❸モンセラート地区
市内の南に位置する下町エリア ❹サン・テルモ地区、❺ボカ地区
市内の西に位置するトレンドエリア ❻レコレータ地区、❼パレルモ地区
市内の東に位置する新開発エリア ❽プエルト・マデーロ地区
レティーロ地区(Retiro)
おすすめ ☆☆☆
レティーロ地区は、ブエノスアイレス中央駅や長距離バスターミナル「Retiro」があります。バスターミナル付近は治安が悪いため気を付けてください。
プラザ・サン・マルティン(Plaza General San Martín)
大きなモニュメントや美しい植栽がある静かな公園。ゆっくりするには、レコレータ地区やパレルモ地区の公園の方がおすすめです。
バスターミナル(Retiro)
ブエノスアイレスの主要なバスターミナル。長距離バスターミナルでは、アルゼンチン国内の各都市への長距離バスだけでなく、ブラジル、チリやパラグアイなど近隣国への国際バスも発着しています。また、近くにはブエノスアイレス市内を縦横無尽に走るローカルバスの大きなターミナルもあります。
サン・ニコラス地区(San Nicolás)
おすすめ ★★★
サン・ニコラス地区は、ブエノスアイレスの中心地で、高層ビルや商業施設が立ち並んでいます。
フロリダ通り (Calle Florida)
フロリダ通りは、歩行者天国のショッピングストリート。高級ブティック、大手チェーン店、カフェ、レストランが並び、いつも沢山に人で賑わっています。
通り沿いにあるショッピングモール「ガレリアス・パシフィコ(Galerías Pacífico)」は、ゴージャスな内装を見るだけでも一見の価値があります。また、多くの両替商が「カンビオ~(両替)」と叫んでおり、観光客だけでなく地元のアルゼンチン人も両替をする場所としても有名。
7月9日大通り(Avenida 9 de Julio)&オベリスコ(Obelisco)
世界で最も幅広い通りとしてギネス世界記録にも認定される、16車線を持つ広大な大通り。アルゼンチンの独立記念日である1816年7月9日にちなんで名付けられました。是非、バスや徒歩で横断して通りの大きさを実感してみてください。
オベリスコは、ブエノスアイレスの象徴的なランドマークで、7月9日大通りに立つ、高さ67メートルの巨大な白い塔。
コロン劇場(Teatro Colón)
世界でも有名な美しいオペラハウスで、建物だけでも必見。私は参加していませんが、内部を見るには有料ツアーに参加するか、チケットを予約して公演を見る必要があります。ウェブサイトで予約は可能なようですが、直接行って予約をおすすめします。
モンセラート地区(Montserrat)
おすすめ ★★★
モンセラート地区は、政府庁舎や歴史的建造物が集まっています。ヨーロッパを感じさせる建築物が沢山あります。
カサ・ロサダ(Casa Rosada)
アルゼンチンの大統領府であり、ピンク色の建物です。周囲には、プラザ・デ・マヨ(Plaza de Mayo)、メトロポリタン大聖堂(Catedral Metropolitana)、市庁舎(Cabildo)など歴史的な建造物があり、セットで観光できます。また、サン・テルモ地区に隣接しています。
プラザ・デ・マヨ(Plaza de Mayo)
モンセラート地区の中心的な広場で、政治的なデモや集会の舞台としても知られています。プラザ・デ・マヨに描かれているシンボル「白い頭巾」は、1977年から1983年にかけてアルゼンチンにおける軍事政権下で失踪した子供たちを捜す母たちの活動の象徴として知られています。
サン・テルモ地区(San Telmo)
おすすめ ★★★
サン・テルモ地区は、石畳が残るブエノスアイレスのボヘミアンな地区で、古い建物やアンティークショップ、アートギャラリー、レストラン、バーが点在しています。毎週日曜日に開催されるサン・テルモのフェリア(露天市)には、沢山の観光客が訪れます。比較的治安が良い場所ですが、ひとブロック行くと突然人が居なくなるということも。
サン・テルモのフェリア(Feria de San Telmo)
サン・テルモのフェリアは、毎週日曜日の午前10時から午後5時頃まで開催されるブエノスアイレスで最大規模の露天市です。アンティーク品、手工芸品、衣料品、食べ物などが手ごろな価格で販売されており、お土産探しにも最適。タンゴやパフォーマンスも楽しめます。五月広場の近くのディフェンサ通りからドレゴ広場まで屋台が続いています。
石畳のため、歩きやすい靴がおすすめです。なお、人混みはスリに遭いやすいので十分に気をつけてください。
サン・テルモ市場(Mercado San Telmo)
1987年創業、130年以上の歴史を誇る老舗市場。鉄の枠で出来た市場の中心部の美しい天井が印象的です。レトロな建物はきれいに改装され、生鮮食品、アンティークや雑貨、またお洒落なレストランなどがあります。日曜日のフェリアの途中に立ち寄ることができます。
ドレーゴ広場(Plaza Dorrego)
日曜日のフェリアを五月広場の近くのディフェンサ通りから歩き始めると、露天はこのドレーゴ広場まで続いています。特にここでは、アンティーク品の屋台が多く出されています。広場にはテーブルと椅子が用意され、カフェをしたり、ストリートパフォーマンスで行われるタンゴが楽しめます。
「旅行プランの個別相談会」の参加者
あなたの旅行プランを「旅わーぷ」に相談しませんか?
詳細は、以下をクリック ▼
メニューは3つ。1400円~
「オンライン会議」と「チャット」から選べます
ボカ地区(La Boca)
おすすめ ★★☆
ボカ地区は、カラフルな建物で他の地区とは異なる雰囲気で、タンゴ発症の港町です。また、ボカ・ジュニアーズの本拠地もここにあります。観光する場所は数ブロックと限られていますが、中心地からは離れておりアクセスが良くないため、移動を考えると半日は確保したいです。
カミニート(Caminito)
カラフルな家並みとストリートアートで有名な歴史的地区。タンゴを鑑賞しながら食事を楽しめるレストラン、ギャラリー、土産屋などが沢山あります。
滞在時間が限られ、タンゴショーのみを楽しみたい際は、中心地に近い場所でショーを見ることができます。
ボカ・ジュニアーズ・スタジアム(Estadio Boca Juniors)
アルゼンチンの有名なサッカーチームの本拠地。サッカーの試合やツアーが楽しめます。ボカのカミニートから数ブロック離れており、大変治安が悪い地域なので歩くのは注意が必要です。
レコレータ地区(Recoleta)
おすすめ ★★★
レコレータ地区は、高級住宅街であり、ヨーロピアンな建築物やレコレータ墓地が魅力。カルチャーセンターや高級ショッピングモールもあります。アルゼンチン国立美術館もこの地区にあり、見所が盛りだくさんです。日暮れ後も子供が公園で遊んでおり、比較的安全です。
レコレータ墓地(Cementerio de la Recoleta)
レコレータ墓地は、エビータ・ペロン(エヴァ・ペロン)を含む多くの著名な人物の墓があり、美しい彫刻と静寂な雰囲気が特徴です。2023年5月現在、入場料はクレジットカードでのみ支払い可能です(現金不可)。
エビータは、マドンナが演じた映画『エビータ』でご存じの方もいるかもしれませんが、アルゼンチンのファーストレディーで、社会運動家としても知られる女性です。
国立美術館(Museo Nacional de Bellas Artes)
国立美術館は、古典から現代までの絵画や彫刻など、幅広いコレクションが展示されています。ピカソやゴッホ、モネなどの作品もあり、アルゼンチン、ラテンアメリカやヨーロッパの美術品を見ることができます。入場料は無料。月曜日は定休日です。
プラザ・フランシア(Plaza Francia)
プラザ・フランシアは、国立美術館に隣接する大きな公園で、噴水や庭園があり、ピクニックや散歩に最適です。無料でアートを見たり、体験できるカルチャーセンター「Centro Cultural Recoleta」が公園内にあります。きれいなトイレが利用できるので便利です。
毎週日曜日は、Centro Cultural Recoletaの前の広場でフェリアが開催されています。サン・テルモのフェリアと売っているものが異なるので、はしごがおすすめです。
エル・アタネオ(El Ateneo)
エル・アタネオは、『世界で2番目に美しい書店』と言われ、元劇場を改装した美しい書店。ステージだった部分はカフェになっています。また、トイレが使用できます。写真撮影は、2階以上からがおすすめです。
パレルモ地区(Palermo)
おすすめ ★★☆
パレルモ地区は大きく分けて、若者に人気のおしゃれなエリア「パレルモ・ソーホー」と、モダンな地区「パレルモ・ハリウッド」の2つに分かれ、隣接しています。クリエイティブなショップ、カフェ、レストランが集まるファッションと文化の中心地で、アルゼンチンのトレンドをキャッチするには最適です。美味しい食事をしたり、ショッピングを楽しんだり、ストリートアートを見たり、時間をかけてゆっくり街歩きにおすすめのエリアです。
また、植物園やプラネタリウムなど広大な公園や、博物館や美術館も沢山あります。無料や手ごろな値段で入ることができますので、時間があれば幾つか巡るのも楽しいと思います。
パレルモ・ソーホー
「パレルモ・ハリウッド」のより、「パレルモ・ソーホー」の方が見どころが多く、「パレルモ・ハリウッド」の中心地は「Plaza Serrano」です。週末にはフェリアが開催されています。
現代美術館(MALBA)
アルゼンチンをはじめ、メキシコやチリなどラテンアメリカの美術作品やコレクションが豊富で、現代美術を中心に展示する美術館です。訪問した際は、メキシコを代表する女性画家フリーダの作品が展示されていました。建物自体もユニークで、美術館内外の魅力的な展示やイベントが楽しめます。水曜日は入場料が半額です。
プエルト・マデロ地区(Puerto Madero)
おすすめ ★☆☆
再開発された港湾地域で、モダンな建物や高級レストランが立ち並んでいます。リバーサイドの散策やクルーズも楽しめるエリアです。
ラ・ムヘール橋(Puente de la Mujer)
周辺にはお洒落なカフェ、レストランやが沢山あります。夜景スポットとしても有名です。プエルト・マデーロ地区の端に位置しており、中心地から歩いて行ける距離にあります。
まとめ:見どころが多いブエノスアイレスは、効率よく観光を
ブエノスアイレスの観光プランは立てられそうですか?
この記事で紹介したこと
まず、治安や滞在日数、ベストシーズンなどもお伝えしました。春(9月〜11月)と秋(3月〜5月)がベストシーズンとされていて、主要観光スポットを巡るには最低3日の滞在がおすすめです。
ブエノスアイレスで観光で訪れたい8つの主要地区を、写真たっぷりで紹介しました。特におすすめの地区は、
- サン・ニコラス地区(San Nicolás)
- モンセラート地区(Montserrat)
- サン・テルモ地区(San Telmo)
- レコレータ地区(Recoleta)
ブエノスアイレスは、地下鉄やバス、Uberなどをうまく活用し、スムーズに観光することができます。ただ、治安には十分に気をつけてください。みなさん、良い旅を!
最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございます
この記事がお役に立ちましたら、下記より「応援」をいただけると、励みになります!旅に役立つ記事制作に繋げていきます。
応援は100円~、アカウント登録不要で送れるよ