2023年11月の大統領選挙で、右派政党出身のハビエル・ミレイ氏が当選しました。新しい大統領は、中央銀行を廃止し米ドルを法定通貨にするといった政策を持ち、アルゼンチン経済の先行きは不透明です。
このページの情報は、2023年5月時点のものです。アルゼンチンに旅行する際は、最新情報を得るようにしてください!
アルゼンチン渡航前に知るべき、アルゼンチンペソ事情
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アルゼンチンを旅行する際、使用する通貨は基本的に「アルゼンチンペソ(ARS)」です。アルゼンチン人は、『日々の買物』はアルゼンチンペソで行いますが、『貯金』は通貨価値が低いアルゼンチンペソではなく、USドルで行う人が多いです。ただし、月に200ドルしか公式に購入できないため、後述する非公式の市場レートで両替をしているそうです。
私が訪問した2023年5月当時、アルゼンチンペソの価値は日々下がり続け、頻繁にスーパーやレストランで価格調整が行われていました。
アルゼンチンにおけるハイパーインフレーション問題について、耳にしたことがあるかもしれません。
ハイパーインフレーションとは、価格が急激に上昇し続ける現象です。主な原因は、政府の財政赤字とアルゼンチンペソの価値の低下です。アルゼンチンは何度か経済破綻しており、紙幣に対する信頼度はとても低いです。
英語ですが、Trip Advisorの掲示板で両替に関する話題が頻繁に上がっています。
下がり続けるアルゼンチンペソの価値
アルゼンチンペソの価値低下がどれくらなのかは、具体的に1ドルあたりレートの変動を見ると分かりやすいです。以下は実際に筆者が両替した際のレートです。
2023年2月
1ドル=340アルゼンチンペソ
2023年5月
1ドル=470アルゼンチンペソ
最も金額の大きいアルゼンチンペソ紙幣は、1,000ペソです。つまり、2023年2月は「2.9ドル」あった1,000ペソの価値が、3か月後に「2.1ドル」に下がりました。
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アルゼンチンペソの価値が、すごい勢いで下がってしまったよ!
外国人旅行者は、賢く両替
スーパーインフレによる価格変動が激しいため、アルゼンチン国民にとっては生活費の上昇という困難が伴います。一方、USドルにアクセスしやすい外国人旅行者は、アルゼンチンペソの価値低下を見据えて、滞在中に少しずつ良いレートで両替を行えば、より多くのアルゼンチンペソを入手することができます。
レートは毎日変動します。私がアルゼンチンに滞在した計1か月では、物価が少しずつ上がる一方で、アルゼンチンペソの対USドルの価値低下の方が大きかったのです。
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USドルを少しずつ両替しながら旅していたので、物価が少しずつ安くなっているように感じました
持参したUSドルを、現地でアルゼンチンペソに両替
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アルゼンチンペソの入手方法はいくつかありますが、レートが良く最も簡単なのは、USドルを現金で持参し、アルゼンチンで両替する方法です。
周辺国からアルゼンチンに行く際は、ボリビアやパラグアイなどの一部のATMでUSドルを引き出せます。そして、良いレートで多くのアルゼンチンペソを両替するには、「公式レート(Dolar oficial)」 ではなく、「非公式の市場レート(Dolar Blue)」で行う必要があります。
アルゼンチンには様々なレートが存在し、政府が設定した「公式レート」より「非公式の市場レート」の方が信頼されています。両替する当日の「非公式の市場レート」に近いレートが提示されれば良いレートということです。なお、通貨換算アプリには「公式レート」が使われているはずです。
![サリーナスくん](https://tabiwarp.com/wp-content/uploads/2023/07/502bf8944ece169b169a17cae00bd267.jpeg)
アルゼンチンペソは、色んな両替レートが存在して紛らわしいの
レートは以下のサイトから確認できます。「Compra」の数値を参照してください。
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アルゼンチンペソの両替方法と注意点
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アルゼンチンペソを両替できる場所はいくつかあります。一般的に、海外で現金を両替する際に利用するのは「両替所」です。アルゼンチンでは、他に、個人両替商、国際送金サービスなどを利用して両替をすることができます。
安心して両替できるのは、街中にある両替所
「公式レート」よりもレートは良いですが、「非公式の市場レート」よりレートは良くないです。ただ、スペイン語が全く話せない方や「公式レート」で両替をしたくない方は安心して両替できる場所です。ただし、「公式レート」を使用している両替所もありますので、必ず両替をする前にレートを確認してください。
レートは良いがハードルが高い、個人両替商
両替商同士の競争もありレートが良いです。数人にレートを聞いてから両替するといいです。ただし、偽札をつかまされる可能性があること、また人目の付く道端で両替するのはリスクが高いため十分に注意が必要です。
大中規模の都市には個人両替をしている人が固まって立っているエリアがあります。例えばブエノスアイレスだと繁華街にある「フロリダ通り」が有名です。個人両替商は「カンビオ、カンビオ」と叫んでいます(カンビオは両替の意味)。
ヨーロッパ人旅行者に人気の「Western Union」
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Western Unionを介して日本の銀行口座から送金し、アルゼンチンのWestern Unionにてアルゼンチンペソを受け取ることができます。Western Unionの設定レートは「非公式の市場レート」とほどんと変わりません。
私は利用していませんが、ヨーロッパ人旅行者の多くはこの方法で両替をしていました。彼らによると、利用方法は簡単なようです。❶Western Unionからアルゼンチンに送金すると番号が発行され、❷その番号と本人確認のためのパスポートを持参し、Western Unionの窓口にてアルゼンチンペソを受け取ることがきます。窓口でのスペイン語のやり取りは発生しますが、偽札をつかまされるリスクはありません。
おすすめは、スーパーやレストランなど店内での両替
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最もおすすめは、レストラン、キオスク、スーパーマーケット、ブティックや旅行代理店など店舗内で両替をしてくれる場所です。コルドバというアルゼンチンで2番目に大きな都市で両替を店頭でした際は、上の画像の金を売り買いする店で行いました。
道端で両替するより安心で、偽札をつかまされる心配は少ないです。レートは個人両替商とほとんど変わらなかったり、良いレートであることが多かったです。
- 道に面した窓やショーウィンドウに「Cambio USD($)」と書いてある
- 両替レートを具体的に記載した張り紙をしている
- 「カンビオ(両替するよ~)」と、店前で呼び込みをしている
ブエノスアイレスでおすすめの両替場所
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個人両替商よりもレートが良く、店内で両替できるのが、ブエノスアイレスのフロリダ通り沿いにある有名なショッピングモール「ガレリアス・パシフィコ(Galerías Pacífico)」近くのキオスクです。歩行者専用通りの真ん中にあり、店名はありません。
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地元の人も多く両替をしていたので、現地では有名な店なのかもしれません
ビアモンテ通り(Viamonte)とフロリダ通りの角に「LEVIS」の看板が見えます。その店の並びに「Alenis」という女性もの雑貨などを扱う店があります(以下の地図の場所)。その目の前にある、アニメのフィギュアなどを売っているキオスクです。
目の前で紙幣カウンターを使って両替をしてくれ、人目に触れることがない店内で安心してアルゼンチンペソを確認することができます。
キオスクの人に、USドルの両替が可能か聞き、念のためレートを確認してください。より良いレートで両替したい人は、事前にフロリダ通りに沢山いる個人両替商にレートを確認しておくといいと思います。
ちなみ、ブエノスアイレスのフロリダ通りは、土産物店やレストランなどが並ぶ約1キロの歩行者専用道路で、おすすめの観光スポットの一つです。その他の観光スポットは、上の記事で詳しく紹介しています。
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【重要】両替する際のポイント
- 個人両替商や店舗で両替をする際は、折り目や落書きのない新品に近い紙幣しか受け付けてくれません。
- 100ドル札が最もレートが良く、その次が50ドル札です。10ドル紙幣は受け付けくれない場合もありました。
損をする両替方法に注意
ここまで読んでお気づきの方もいるかもしれませんが、「公式レート」での両替は損です。空港や街中の両替所は「公式レート」が多いため、両替の際は必ずレートを確認してください。また、ATMでのキャッシングも、「公式レート」です。
「VISAカード」による決済もおすすめ
アルゼンチンでは、大概のレストランやお店でクレジットカード払いが可能です。2022年12月より、海外で発行されたクレジットカードによる決算は、「非公式の市場レート」に近い良いレートが適用されるようになりました。
「VISAカード」は決済時に良いレートが適応され、「Masterカード」は後から清算と手続きが煩雑なため、クレジットカード決済は「VISAカード」が便利です。チップやタクシーなどクレジットカード決算ができないため、現金は持ち歩いた方が良いです。なお、クレジットカード使用の際にパスポートの提示を求められることがあります。
詳細は、各クレジットカード会社のウェブサイトに案内があります。
あわせて読みたい、アルゼンチンの観光スポット紹介
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簡単!賢く、旅の経費を節約する方法
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海外旅行は、いろいろと費用がかかりますよね。
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アルゼンチンペソの両替は、一般的な海外旅行時と異なりますので準備して渡航することをおすすめします。
みなさん、良い旅を!